「ローマ教皇、女性の手を叩く」
こんなニュース(記事)がネット上に拡散していました。
この見出しだけを見ると、「聖職者が何たることか!」となりますが、問題の動画をよく見てみると、事実は違うようです。
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は、大晦日に、バチカンに集まった信者にあいさつをした際、女性信者の一人から手を引っ張られてしまったのです。
フランシスコ教皇が、別方向に歩き出した時に、アジア系の女性信者の一人が教皇の手を取って、グイっと自分の方へ引き寄せたのです。
別方向に歩き出した教皇は、既に歩き出そうとした方向を見ていて、それが逆方向に引っ張られたのですから、教皇もかなり驚いたであろうことは、動画で見て明らかです。
びっくりした教皇が、とっさに女性の手を叩いて離したわけです。
人間としては、当然の反応だと思いますし、この件で、教皇だけが非難されるのは、ちょっと不公平だと思います。
翌日(1月1日)、教皇は新年のミサで、「人は我慢ができなくなることがよくある」、「私にもある。昨日の悪い事例を謝罪する」、「女性に対するいかなる形の暴力も、神に対する冒涜(ぼうとく)である」と述べ、女性に事実上の謝罪を行ったのでした。
ローマ教皇ほどの人でも、とっさの時には、やはり、人間的なリアクションをするものです。今回の件は、教皇を責めるべきではないでしょう。
ただ、実際の動画を見ずに、ニュースの見出しだけ見ることが、どれだけ事実と違う伝わり方となるのか、ちょっと怖い気がしたニュースでした。