「嘘つきは泥棒の始まり」
私たち日本人は、このような性善説に基づいた道徳観と共に成長します。
全ての日本人がこのような清廉潔白な人物ではありませんが、このような価値観を背景にして子育てすることは大切な事だと思います。
「嘘はバレて初めて嘘になる」とか「騙される方が悪い」というような考えが存在する国と地域がありますが、このような価値観が世代から世代へ受け継がれるようであれば、そのような文化圏に明るい未来があるとは思えません。
では、これまで「嘘つきは泥棒の始まり」と教えられてきた日本人は、次世代へ自信を持ってこの尊い価値観を伝えられるのでしょうか?
この点について、私は非常に疑問です。
理由は、最近、日本の未来のかじ取りをする政治家、国会議員、官僚の一部に、恥知らずな嘘つきがいるからです。
長期政権を誇った元首相は、在任中、国会における証言で、虚偽の発言を繰り返しました。
しかし、何のお咎めも無し。
コロナ禍で、政府は、大人数での会食はダメ、歓送迎会もダメ、忘年会もダメ、花見もダメ、旅行もダメ等々、国民に多方面で自粛を求めています。
しかし、総理大臣と政府与党重鎮は、芸能人と銀座で忘年会。元首相のファーストレディーは、やはり、芸能人とお花見、そして旅行。
総務省の官僚は、違法接待に対し「記憶にございません」「誰が出席していたのか知らなかった」などと、白々しい虚偽答弁を連発して言い逃れ。
コロナ管轄である厚生労働省の23人の官僚は、夜遅くまで飲み会を開く始末・・・
これらの人たちは、世間が納得するような処分を受けてはいません。
この政治家や官僚たちは、「嘘つきは泥棒の始まり」という諺(ことわざ)を知らずに社会人になったはずがありません。
国のかじ取りをする人たちがこの程度で、将来を担う日本の子供たちはどのような影響を受けるでしょうか?
私の娘は5歳。
最近は、親の指摘に対して、時として反論するようになりました。
「寝る前に、お部屋のお片付けはお約束だったでしょう。」
「でも、ママもしてない!」
屁理屈ではありません。事実であるからそう言います。
影響力のある人が、白々しい嘘をついているのを、子供が日常的に見聞きすれば、子供も同じような行動をする可能性が高くなると考えるのが妥当です。
「なんで、そんな嘘をつくの?」
「だって、日本の偉い人も嘘をついているでしょ?」
子供がこう言ったとしたら、親はどう切り返せば適切でしょうか?
「政治家ってのは嘘つきばかり。あんな人の真似をしないように!」とでも言いましょうか・・・
そうなれば、日本の将来は非常に暗いものになるに違いありません。
「日本の偉い人たちを見なさい。あれがお手本だよ!」
親が自信を持ってこう言える社会であって欲しいと切に願って止みません。
今の日本の現状は、自分の子供、次世代に伝えたくない事があり過ぎるような気がしてなりません。
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