給食で残った食材でまかない料理を作ったとのことで、京都市にある小学校の給食の女性調理員2人(60歳と57歳)が減給の懲戒処分(平均賃金の半日分)となったというニュースがありました。
京都市教育委員会の発表によると、調理員の2人は以下の点に抵触したようです。
*60歳の調理員は、2022年度から給食で残った食材を使ってまかない料理を作り、
教職員たちにも提供していた。
*57歳の調理員は、2023年度から加わり、給食で残った食材と自分で持ち寄った
食材や調味料を合わせてまかない料理を作り、職員室に運ぶなどしていた。
*国の衛生管理基準に基づき、給食で残った食材は適切な方法で管理および廃棄するよう
定められている。
*給食室に、私的な食材を持ち込むことは禁止されている。
この事実は、2024年6月に匿名の通報を受けて発覚したそうです。
調理員の2人は、調査に対して「食材を捨てるのがもったいないと思った。遅くまで仕事をしている教員に何か作ってあげたかった。」と説明しているとのことです。
調理員2名に対する京都市教育委員会の処分についてなのですが、私は何か釈然としません。
このニュースを聞いた方々も、賛否両論なのではないかと思ってしまうのです。
まず、給食で残った食材の管理方法を軽視していた点、禁止されている私的な食材を持ち込んでいた点は、国の衛生管理基準外ですから、これはNG行為に違いありません。
ですから、単にルール違反ということだけなら、懲戒処分は妥当なのでしょう。
しかしながら、「食材を捨てるのがもったいないと思った。」との彼女たちの弁明は無視して良いのでしょうか?
今回の「食材を捨てるのがもったいないと思った。」という理由は、世界的な規模で叫ばれている「フードロス削減」に他なりません。「政府広報オンライン」によると、世界の食料廃棄量は年間約13億トンで、人の消費のために生産された食料のおおよそ3分の1が廃棄されているそうです。
ということは、フードロス削減という視点においては、2人の調理員は、社会的にはあながち間違ったことはしてないとも言えます。
今回、2人の調理員のまかないを食べて、食中毒などの健康被害が報告されていれば、弁解の余地は無かったでしょう。
京都市教育委員会としても、見て見ぬふりをできるわけがありません。どのような社会、または組織でも、ルールは守る為に存在します。
ですが、ルールが守られなかった場合の理由に、情状酌量の余地があるのなら、処分を軽減することもできるはずです。
今回の事案は、京都市教育委員会の処分は理解できるのですが、何か釈然とせず、後味の悪い処分であった気がしてなりません。