法治国家であるはずの日本では、「ブラック企業」だの「パワハラ」だのが未だに横行しています。
今朝のヤフーニュースで、『「若手は殴られるのも仕事」、部下を血まみれにする“暴力上司”を見逃していた「あり得ない会社」』という記事を読んで愕然としました。(リンクが無くならないうちに読んでみて下さい。)
上司や先輩社員からの殴る蹴るの暴行が常習化して、組織もそれを黙認しているようなブラック企業のエピソードが紹介されています。
上司や先輩とはいえ、暴力は違法で刑事事件です。暴力を受けた側が警察に通報すれば、すぐに事件となります。
殴られた直後、明らかに怪我をしていたり、出血しているようであれば、暴力を振るった側は、問答無用で現行犯逮捕です。
また、会社全体として暴力を容認するような慣例になっているのであれば、弁護士にも相談するべきでしょう。
21世紀になっても、法律無視の戦前の軍隊式のような組織運営が日本でまかり通る原因は、私個人的には主として2つ考えられます。
1つには、労働基準法を違反するような行為に対して、罰則規定が甘過ぎるか無いことです。
企業経営に響く程の罰金などが課されない限り、労基法違反は無くならないでしょう。
ブラック企業やパワハラが横行する2つ目の原因は、日本人の遺伝子には、権力盲従が染み込んでいる事です。
社会全体や組織の中では、上から命令された事は、理不尽であれ何であれ黙って従うという奴隷従属意識が日本人の深層心理に根付いています。
例えば、有給休暇を会社が拒否すれば違法です。しかし、そのような会社側の違法行為も、社員が何も反論せずに受け入れれば、そのような情報は外部に漏れる事もなく、有給休暇を取得しない事が、いつの間にか業務慣例になってしまいます。
つまり、声を上げなければ、何も改善されないのです。
上げない声は、どこにも届きません!
実は、私の会社でも、悪名高いパワハラ上司がいました。
ある部署でやりたい放題で部下を疲弊させたこのパワハラ上司は、数年後、私が所属する部署へ異動してきたのです。
その部署でも「夢よもう一度」とばかり、部下に放言暴言を繰り返し、長時間労働を強いて残業代を認めないなどやりたい放題でしたが、たまりかねた部下たちが着々と反撃に転じたのです。
会社のストレスチェックでは、産業医との面談を希望し、産業医から人事へパワハラ上司の横暴ぶりを本社の人事に伝えてもらいました。
また、組合に相談して、組合から部長クラスに進言してもらったり、元上司に相談して、本社の人事などの人脈へ話を通してもらいました。
その結果、当該パワハラ上司は本社の人事に呼び出され、厳しい叱責を受けたのでした。
それまでの個人攻撃や理不尽な業務命令は全く影を潜め、そのパワハラ上司は事務所内で全く話さなくなってしまったのです。
このように、会社全体が健全であれば、下から声を上げることで、パワハラは撲滅へ向かうことが期待できます。
もし、会社自体が労基法を無視したブラック企業であれば、選択肢は2つです。
弁護士に相談して裁判に訴えるか、退職するかです。
パワハラやブラック企業の問題は、雇用されている日本人全員に関わる切実な案件です。
ここで解決しないと、次の世代にそのツケを回すことになります。
私の実体験だから言えることですが、一人の抵抗ではなく、「NO」と言える人ができるだけ多く連携して、声を上げていきましょう!