国民との信頼とはほど遠い、某元総理大臣による不透明な政権運営が露呈した頃から、日常的に使用されるようになった「忖度(そんたく)」という言葉。
「goo辞書」では、忖度の意味は、「他人の心をおしはかること。また、おしはかって相手に配慮すること」と定義されています。
使い方としては、「得意先の意向を忖度して取り計らう」等の例文があります。
忖度とは、相手の気持ちや立場を考慮した上で、頼まれているわけではないのだけれど、気を利かせて、何を追加でやってあげたり(あげなかったり)する行為ですね。
大人の社会であれば、多かれ少なかれ、違法でない限りは、そうすべき機会というのはあるものです。
しかし、世の中には、全く忖度しない人がいます。
忖度なしで生きている人、それは、幼少期の子供。
私の小学校1年生の娘などは、忖度しない人の典型です。
娘による「忖度なし」の実話が起こったのは、今年11月3日。
天気の良い祝日だったので、家族で牧場に行きました。
そこでは、様々な乳製品が販売されていました。
売り場で最初に見つけたのが、1本(1リットル)1,000円の牛乳。独特のパッケージもあり、さぞかし美味しいのだろうと想像を掻き立てられます。
妻は、「小さいサイズがあるから、それを飲んで美味しかったら、大きい方を買いましょうよ。」と提案するので、それはごもっともだと思い、まずは小さいサイズの方を購入して、早速飲んでみたのです。
妻は「うん、確かに美味しいよね。」という感想。
私は一口飲んで、確かに味が濃くて美味しいとは思いましたが、1リットル1,000円で買う程の味かな、というのが率直な感想でした。でも、「味が濃くて美味しいね」と言ってしまいました。
そして、7歳の娘。一口飲むなり、こう言い放ったのです。
「パパ~、いつも飲んでるのと同じ~!」
妻も私も、思わず苦笑いでした。(苦笑)
これぞ、忖度なしの正直な感想でしょう!
「牧場の生乳/1本1,000円」という事実が「美味しいはず」という先入観を刷り込んで、正直な感想に干渉したわけです。
飲む前から忖度して「美味しい」と言うべきと考えてしまいがちな大人とは違い、正直な感想のみを言えばいいだけの子供。
ここでの食レポは、7歳の娘の正直な感想の方が、的を射ていたと認めざるを得ませんでした。
大人の社会では、忖度は必要悪。
しかし、忖度によって、真実が見えなく事があります。
子供の純粋な正直さに、ちょっと教えられた感じでした!