飲み会が多くなるシーズンに、よく話題になる社会問題が「無断キャンセル」。
飲食店などで予約をしている客が来店せず、お店側に金銭的な損害が発生する問題で、お店側が一方的に泣き寝入りとなるケースです。
私は米国に6年程住んでいましたが、店舗側が一方的に損害を被るような無断キャンセルは米国ではほとんど起きません。
起きませんというか、米国では起きようがないのです。
理由は簡単です。
米国では、飲食店に限らず、予約には必ずクレジットカードが必要だからです。
店舗側は、予約に対してクレジットカードで金額を担保しています。仮に、無断キャンセルが起こっても、予約の金額分はクレジットカードに課金できるため、金銭的な損害は発生しないのです。
英語では、無断キャンセルは「No Show」と言います。
「No Show」への対策はクレジットカード。予約する側にも店舗側にも、実に公平な取引というわけです。
しかし、日本では、無断キャンセル対策としてのクレジットカード決済を行う上での弊害が2点あります。
一つ目は、未だ根強い「現金主義」。
支払いは現金のみという店舗が未だに多く、遅々ととしてキャッシュレス決済が進まない最大の理由が現金主義。
二つ目は、過度な「性善説」。
無断キャンセルがこれだけ社会問題化しているにもかかわらず、対策を講ずる事なく「お客は来るはずだ。」という性善説。
「クレジットカードを持っていない客からの予約が減るじゃないか!」という意見もありますが、そうなると、無断キャンセルへの泣き寝入りが続くだけです。
無断キャンセルの損害を排除するか、無断キャンセルを抱え込むリスクを選ぶか、どちらかの選択を迫られます。
経済産業省の2018年の統計では、無断キャンセルによる飲食店の年間損害額は約2,000億円にもなるそうです。
また、無断キャンセルの理由については、以下のような理由が上位に挙げられています。
「とりあえず場所を確保するために予約」(34.1%)
「人気店なのでとりあえず予約」(32.5%)
「予約したことをうっかり忘れた」(30.2%)
「その日の予約自体がキャンセルになった」(24.6%)
「天気が悪く外に出るのが億劫になった」(21.4%)
「体調不良」(14.3%)
「当日になって食べたい物が変わった」(13.5%)
その他
無断キャンセルをした主な理由は、客側の実に身勝手な都合ばかりです。
また、2019年11月には、偽名で居酒屋に嘘の団体予約をして、50代の男性が偽計業務妨害で逮捕されています。
無断キャンセルに同情の余地がありますかねぇ?
こういう不正行為に対して、店舗側が毅然とした対応をしても、売り上げに影響があるとは思えませんが・・・。
米国の例でも明らかなように、クレジットカードの提示を求める予約方法が、いち早く着手できる対策であると言えます。
三井住友VISAカード